トップページ
(負荷軽減のため省略中)


[ 2015年03月25日 - 18:06 ]

【[Number] 川口能活×楢崎正剛◆対談】

■ 名古屋市内のホテルにて。先に到着した川口能活と雑談していたら、まるでゴール前からのコーチングのような豪快な声が、取材部屋に響きわたった。

「ヨッちゃん! ごめん、待った?」

「おー、正剛! ひさしぶり。全然大丈夫だよ」

川口能活と楢崎正剛が、同じ空間で語り合う。正直に言うと、Number創刊35周年記念号で実現したこの対談がうまくいくのか、不安だった。
長く日本代表正GKの座を奪い合った1歳違いの2人が、お互いに対してどんな感情を抱いているのかわからなかったから。新人の頃からメディアで比較され続け、プレースタイルやキャラクターの違いから、W杯やアジア杯が近づくたびに、世論はどちらをゴールマウスに立たせるべきか意見が分かれた。
日本代表の練習中に2人が話していると、報道陣がざわつく場面もあったほどだ。

ところが、目の前に座った守護神たちは、お互いを「ヨッちゃん」「正剛」と呼び合っている。こちらの緊張を告白すると、2人は笑った。

「なんでこういう対談のオファーが来ないんやろうな」

川口 俺たちの関係って、普通だよね。

楢崎 全然普通。むしろ、「なんでこういう対談のオファーが来ないんやろうな」って思ってたぐらいだから。

川口 そうそう。それが不思議だった。

楢崎 メディアのみなさんの方が、気を使っているんでしょ。

“予想外”にリラックスした雰囲気で、対談は始まった。初めて出会ったときのこと、比較されたときの心境、お互いのプレースタイルについて。今まで知ることができなかった本音が、明かされていく。2人の「ライバル関係」についての話題を終えたときに、どうしても聞いてみたい質問があった。

今までの日本代表選手の中で、最もシュートを止めるのが難しかった選手は誰ですか? 
この問いに、彼らほど説得力のある答えを言える選手はいない。国際Aマッチのキャップ数は、2人合わせて193。
代表合宿や試合前の練習で、日本のトップ選手たちのシュートを数えきれないほど受けてきた。だからこそ彼らは、「日本一シュートのうまい選手」を知っている。2人の口から語られたのは、やはり日本のレジェンドと呼ぶべき選手の名前だった。

ふたりの口から語られた名前とは?

川口 僕はヒデ(中田英寿)です。試合前のウォーミングアップ中に打つシュート。インステップでの強烈な一発で、“タイガーショット”みたいな(笑)。

楢崎 パンチ力がすごかったよね。

川口 あのパンチ力は、日本人の中では一番だったかな。練習の中でのシュートもすごかったけど、ウォーミングアップ中の、アドレナリンを出す段階で打つシュートは、もっとすごかったですからね。

楢崎 俺は、シュン(中村俊輔)のFKかな。スピードも、正確性も、駆け引きも。

川口 駆け引きはうまかったね。俊輔のボールは、マリノスで何千本も受けてきて、癖も見てきたから、何となくどこを狙っているかわかる部分もあったんです。でも、敵になってみると「こいつ、こんなにいやらしいんだな」ってわかった。

楢崎 日本人のキッカーでは一番だろうね。

「2人で頑張ってきて本当によかったな」

川口 あとはヤット(遠藤保仁)。ボールが重いんですよ。GKにとっては重いけど、味方にとっては合わせやすいようなボール。俊輔とヤットのFKは別格かな。

守護神と守護神。もしも2人の年齢が離れていて、どちらかがもっと後に生まれていれば、日本代表はこの先も正GK選びに迷わなかったかもしれない。でも、これだけレベルの高い選手が競い合ったからこそ、日本のGKのレベルは引き上げられたのではないか。
2人のライバル関係は、日本サッカー界にとって「幸福な関係」だったのではないか。

楢崎 そう思ってもらえるのならば、うれしいですね。

川口 今、そういうふうに言ってもらえるのならば、2人で頑張ってきた甲斐があった。当然、これまでのサッカー人生では、良いときもあれば、我慢しないといけないときもありました。それは僕らにしか分からない心情だったから。それを今、評価というか、そういうふうに言ってもらえるのならば、2人で頑張ってきて本当によかったなって。すごくありがたいです。

楢崎 うん。ありがたいですね。

 ◇ ◇ ◇

大舞台で緊張するか? ミスをした後に引きずるか? 日本を代表する守護神ふたりが語る、至高のGK哲学。
もしお互いがいなかったら、自分のサッカー人生は変わっていた? その答えに込められた、ふたりがここまで歩んできた理由とは。

本編『守護神の矜持』は、Number874号でお読みください。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150325-00822980-number-socc
Number Web 3月25日(水)16時31分配信


ニヤニヤが止まらない。二人の対談は昨年も中日スポーツの企画で実現しているが、長きに渡って繰り広げられてきたライバル関係だからこそ、ある種の信頼関係のようなものを二人の間から感じ取ることが出来るよな。格好良いよ。両者とも、今後は指導者として大きな期待が掛かるが、まだまだ現役に拘って欲しい。



スレッド作成者: 釈迦堂ジュンヤ (JVOrdzJ9rWc / NkCJTKC0fo.)

このトピックへのコメント:
お名前: コメント: ID Key: IDを表示
悪質な誹謗・中傷、読む人を不快にさせるような書き込みなどはご遠慮ください。 不適切と思われる発言を発見した際には削除させていただきます。
(03/26 - 12:11) トシのシュートとは意外だな
(03/26 - 07:03) 川島や権田とは格が違う
(03/26 - 04:46) この2人で切磋琢磨し続けた良い関係だったが、その期間が長すぎた。
(03/26 - 01:28) ゼロックスかなあれ?副音声で城が言ってたな。
(03/25 - 23:55) いや、フットブレインでみたから秋田だよ
(03/25 - 19:54) (03/25 - 23:27) 確か昔のインタビューで読んだときに確執みたいな時期もあったみたいな話があったよ。この2人は代表で栄光も苦しみも味わっているから、最後は素晴らしい関係になれたんだと思うけどね
(03/25 - 23:25) 昔、この2人の対談の記事読んだな。
(03/25 - 22:15) 2人ともはたちそこそこから10年以上代表に定着し続けた。比較しちゃ悪いが、今の若手GKにそんな期待感をもてないんだよなは
(03/25 - 20:46) 秋田じゃなくて城だろ
釈迦堂ジュンヤ (03/25 - 20:01) 秋田が代表に居たのってジーコ政権の初期までだったよな。日韓W杯前後は二人のライバル関係もヒートアップし過ぎてほとんど会話も無かったという記事を過去に読んだことがある。そういった経緯やら何やら乗り越えたからこそ、常人では到達出来ない境地のライバル関係へ昇華したんだろうな。
(03/25 - 19:54) 楢崎と川口が会話してるとこを見たことないって最近秋田が入ってなかったっけ。単純に健全なライバルだったってことか?
(03/25 - 19:44) 大久保って言うかと思ったけど違ったか
釈迦堂ジュンヤ (03/25 - 19:05) ヒデじゃ誰を指すのかイマイチわかり辛いから、(中田英寿)って注釈を加えざるを得ないよな。
(03/25 - 19:02) ヒデ(中田英寿)じゃなくてトシじゃないのかよ
釈迦堂ジュンヤ (03/25 - 19:00) 磐田時代に俊輔のPKをセーブしたのち数度に渡ってガッツポーズを繰り返していた能活が忘れられない。また、12年シーズン終盤でのマリノスとの対戦時ロスタイムに俊輔のFKを決められ呆然と立ち尽くす楢崎の姿も忘れられない。
釈迦堂ジュンヤ (03/25 - 18:51) 能活のことが好き過ぎて一時期は楢崎のことを嫌っていたが、今では楢崎も大好き。岐阜と名古屋の試合には可能な限り足を運びたい。
(03/25 - 18:40) 漫画みたいな2人だよね