■ 1950年代のハンガリー代表、通称「ハジックマジャール」。なぜこのチームが最強と言われるのか。それは1試合平均4.5得点という驚異的な攻撃力や1950年から4年間無敗という記録を作り上げているからだ。その無敗記録を築いたチームのメンバー、フォーメーションをご覧頂こう。
WMフォーメーション(3-2-5)
　　　　　　　　　 　　　ヒデグチ

　　　　チボル　　　　　　　　　　　　　　　 ブダイ

　　　　　　　　プスカシュ(c)　　　コチシュ


　　　　　　　　　　　　　　　　　ボジク
　　　　　　　ザカリアーシュ


　　　　ラントシュ　　ローラーント　ブザーンスキー


　　　　　　　　　　　　グロシチ
トップに立ちパスを供給したヒデグチ。エースストライカーのプスカシュ、コチシュ。ドリブルでサイドを切り裂くチボルとブダイ。
豊富な運動量や正確なパスで攻守を支えたボジクとザカリアーシュ守備を支えたラントシュ、ローラーント、ブザーンスキー。元祖スイーパーキーパーとも呼ばれ必要な時には飛び出しを見せたグロシチ。このどれかが欠けていればマジックマジャールとは呼ばれなかっただろう。
当時のオフサイドルールに対応したWMフォーメーションを使用していたが、当時はマンマーク主流であったことを利用しインナーとセンターフォワードがポジションチェンジ。相手の守備は崩壊し大量に得点することが出来る。
無敗記録が途絶えたのは、なんとハンガリーの名誉がかかったワールドカップ決勝戦。相手は西ドイツだった。なぜ西ドイツにハンガリーが負けたのか。それは西ドイツの計らいが成功したからだ。西ドイツはあえてグループステージで2位になることにより強豪との戦いを回避した。
ハンガリーはブラジルやウルグアイといった強豪達。ベルンの死闘とも呼ばれるブラジル戦は歴史に残る試合だ。この強豪達には勝ったもののどちらも延長戦で勝利のため選手達は当然疲れている。おまけにエースストライカー兼主将のプスカシュが怪我。決勝戦には出場したものの調子が整わなかった。
終焉はとても悲しいものでありハンガリー動乱が発生し遠征中だった中心選手たちが亡命。この後ハンガリーはオリンピックで2度金メダルを獲得することになるが以前のような強さは取り戻せなかった。