■ 成立間際のミラン経営権売却について渦巻く疑惑と憶測……全てはベルルスコーニの陰謀?
SOCCER DIGEST Web 11/23(水) 18:56配信
11月20日に行なわれたミラノダービーは、史上初の「チャイニーズ・ミラノダービー」であると同時に、中国資本への経営権売却が間近に迫ったミランのオーナー、シルビオ・ベルルスコーニにとっての「ラストダービー」という側面も持っていた。
サン・シーロのクルバ・スッド(南ゴール裏)を埋めたミラン・ウルトラスも、ダービーの風物詩である選手入場時のコレオグラフィ(応援パフォーマンス)を、「世界で最も多くのタイトルを勝ち取った会長」に捧げた。
ゴール裏の1、2階席をほぼ全て覆った、縦30メートル、横60メートルはあろうかという巨大なフラッグには、ビッグイヤー(CL優勝カップ)とクラブワールドカップのトロフィーを両手に抱えたベルルスコーニの姿が描かれていた。
試合開始に合わせてそのフラッグが撤収された後には、「こんな夢はもう二度と見られないだろう。会長ありがとう」という横断幕が掲げられた。
これにはいたくご満悦だったベルルスコーニだが、サン・シーロに到着してマスコミに囲まれた時には、「これが私にとって最後のダービー? 全くそうは思わないね」という意味深なコメントも残している。
このコメントに対しては、様々な解釈がなされている。
単にクラブを手放してからもダービーでは姿を見せ続けるという宣言だとする見方もあれば、中国資本の下でも名誉会長としてクラブに残るのではないか、果ては買収話そのものが白紙に戻る可能性があるという憶測すらある。
このように解釈が割れるのは、以前にも伝えした通り、中国資本への売却プロセスに、今なお不透明な部分が残されているからだ。
イタリアでの報道を総合すると、現在の状況は以下のようなものになる。
クラブの経営権譲渡が正式に成立するためには、買い手である投資会社「シノ・ヨーロッパ・スポーツ」が、株式の取得に必要な4億2000万ユーロの買収資金を、ミランの親会社であるベルルスコーニの持ち株会社「フィニンベスト」に振り込む必要がある。
それだけの大金を中国から国外(この場合は投資会社の所在地であるルクセンブルグ)に動かすためには、中国政府による外貨持出の認可が必要なのだが、現時点でまだ「審査中」の状態が続いており、当初の買収期日(12月2日)に間に合わない可能性が濃厚になっている。
そのため、買収成立に伴うクラブ経営陣交代を承認するための株主総会も、当初の2日から13日に延期されることになりそうだ。
しかし、これはあくまで、マスコミが伝えている表向きの話。
その背後では、この買収劇をめぐって、もっときな臭い噂や憶測が飛び交っている。
ミラノ・サッカー界の裏事情に詳しいベテランのフリージャーナリストが、ダービーの記者席で聞かせてくれたこんな話もそのひとつだ。
――◇――◇――
買収が成立するかどうかは、まだまだ分からないよ。
問題は、そのカネの出所だ。マスコミは書こうとしないけれど、あれはベルルスコーニが世界各地のオフショアに溜め込んでいた隠し金だと、以前から根強く噂されている。
というより、私も含めて皆がそう思っているよ。
ベルルスコーニは、ミラン買収を隠れ蓑にして、裏金を綺麗なカネとして自分の金庫に戻そうとしている、とね。
最初は、あの若いタイ人の投資家「ミスター・ビー」を使い、シンガポール経由でそれをやろうとしたけれど、うまくいかなかった。
そこで、わざわざ中国まで行って政府関係者を抱き込んで話をつけ、中国の投資家グループが会社を作って買収するというかたちになったんだ。
腑に落ちないのは、その投資会社の代表者で実質的な新オーナーになるリー・ヨンホンという人物が、中国の経済界ではほとんど知られていない名前だということだ。
「ガゼッタ・デッロ・スポルト」のI・Mという記者が、わざわざ中国まで取材に行って書いた話なのだから間違いない。
インテルを買収した「蘇寧グループ」を知らない中国人はひとりもいないだろう。
ところが、その中国でインテル以上に人気があるというミランを買収しようとしている人物が、地元の財界ですら無名だというのはおかしな話だ。
その記事が巻き起こした反響が不都合だったのか、I・Mはその後、ミランの買収話について書かせてもらえなくなってしまった。
蘇寧グループがインテルを買収した時には、こういう手続き上の問題は何もなかった。
ところがミランは、ミスター・ビーの時も今回も、表に出てくる人物はまったく無名で、しかもそのバックに誰がいるのかは明かされない。
カネの出どころも分からない……。
何か裏があるんじゃないか? と勘ぐられるのは当然だろう。
回収した自分のカネで、もう一度ミランを買う。
ベルルスコーニなら、そのくらいのことはやりかねない。
――◇――◇――
筆者は、事の真偽を判断する材料も能力も持っていないので、あくまでもひとつの「フィクション」としてこの話を受け止め、お伝えすることしかできない。
それにしても、表には出ないところでこうした話が日常的に飛び交っていること自体、非常に興味深いことではある。
事態がここからどう動いていくのか、引き続き注目していきたい。
[ 2016年11月23日 - 20:26 ]
(11/24 - 04:51) そんな金あるなら凋落する前に使えや
(11/23 - 22:33) 盗聴買収珍テルの間違いだろタワケ
(11/23 - 22:25) ヤオントスとの熾烈な買収合戦楽しみだな
(11/23 - 20:49) 八百長ゴミランの買収はじまる