■ スカパーより安くとも、DAZNは課題が多い！今からでも改善を求む！

今年からJリーグの中継はDAZNで放送されることになった。私も2月に入ってから加入した。だが噂通り課題が多いと思った。

�@操作性（ユーザーインターフェース）が悪い
　まずは早送り・巻き戻し（シーク）がやりにくい。サッカーが本気で好きなサポーターだと、例えば贔屓チームのゴールシーンや微妙な判定、あるいは戦術的に巧いと思ったところなどリプレイのごとく巻き戻しして再度見たくなるもの。これがスカパーオンデマンドでは、目安の時間が表示されていたが、DAZNでは表示されないため、目的のところまで動かすのが難しく、余計な時間・手間がかかってしまう。これではスカパー経験者を中心に白けるではないか？
　あとは、映像を視聴中にマウスを動かすと、画面はとりあえず普通に動くが、少し暗くなり、左上に試合の簡易説明文字が出てきてウザイ。
　ついでにいうと、サインインすると、いきなり現在開催中のスポーツの試合がライブで動いているが、誰もが必ずしもその試合を見たいというわけではないし、パソコンの性能によっては、むしろ重くなって迷惑じゃないのか・・・。

�A試合中の表示がスカパーオンデマンドより物足りない
　DAZNニューイヤーカップの鹿島vs横浜FC、福岡vs長崎は一通り、その他札幌戦などもダイジェストで視聴したが、スタメン発表時にスタメンの11人しか紹介されなかった。スカパーで見られた控え選手や予想フォーメーションなど表示されなかった。スカパーなら怪我での欠場者まで表示されていた。開幕までにその点もちゃんと改善すればいいのだが・・・。
　試合中にスコア表示されるのだが、その下にスカパーみたいなシュート数（枠内も）が表示されない。これでは長年スカパーで見てきた人はガッカリでは。シュート数が全てではないが、途中でもシュート数が表示されれば、ライトファンや新規ファンにとって、あるいは途中から見た場合など、試合が何となくでもイメージしやすく、わかりやすい。
　ちなみにハーフタイム時にシュート数・コーナーキック・オフサイド数は出ていた。ただ枠内シュート数は出てなかった。NHKBSですら枠内シュート数は出ていたのに・・・。

○コストパフォーマンスは案外いいかも・・・
　一方、利用料金は月額1750円。昨年までのスカパーオンデマンドは2962円だったが、スカパー同様、試合は見放題。しかもJリーグ以外の競技も見れるだけに、コストパフォーマンスは悪くないともいえる。ただ、その分上記のような課題が出てきてしまったともいえるか・・・。


昨年夏にJリーグは英国動画配信大手のパフォームグループとの大型契約を締結し、各チームの運営体力が向上し、いくつかのチームが精力的な強化を図っている。それだけクラブ、もっといえば選手レベルは向上しているのに、視聴サービスがむしろ低下したのでは、せっかく新規層が増えても、それ以上にコアサポーターから見放されてしまう。そして新規層も長続きする可能性は低いため、Jリーグとしては人気面でかえって苦しむのではないか。また、Jリーグは元々は上位と下位の格差が大きくなく、下位チームや地方の小規模チームの方が数はともかく、サポーターの定着度・本気度は高い。つまり、上記の理由で本気度の高いサポーターが関心を失うようだとJリーグの理念・アイデンティティすら失われることになる。

村井満チェアマンはじめ、Jリーグ関係者は、1998年の横浜フリューゲルスショック以降、プロ野球より明らかに給料の少ない選手たちを金銭面では救ったはず。特に村井チェアマンは大胆さや行動力に優れているはずなのだから、これからJリーグの視聴者を増やしたいのなら、DAZNにおける上記のような課題を一刻も早く解消するよう働きかけてほしい。特にユーザーインターフェースはユーザーにとっての第一歩なのだから・・・。