■ この前のチェルシー戦とか見るとよく分かる。相手に少しでも引かれ前線3トップのスピードを活かしにくい展開になると攻撃は膠着してほぼ無力になる。プレミアの格下相手とのゲームを見る機会はないが、恐らくそういう展開が多く勝ち点をとりこぼすのもその理由のせいだろう。

クロップにはモウリーニョ同様引いた相手を崩す能力はない。ペップとの一番の違いがそこ。だからシティはぶっちぎりでプレミアを制覇できる。シティのようにラインを高くして攻めてくるチームには良さを発揮できるが、老獪なチームに当たるとすぐに手を焼く。2年前のセビージャ戦も後半は何もできなかった。

ジダンのサッカーは確かに面白くないし、良いサッカーと呼べるものではないだろう。ただ、この監督は非常に頭が良く相手をしっかり研究して良さを消す能力に長けている。流石にバイエルンとバルサは強すぎてやられるシーンが多かったが、リバプールを抑えるのはそこまで難しくない。チェルシー戦をしっかりスカウティグしただろうし、マルセロがアホみたいに攻め上がりさえしなければ怖くない。ラモス、ヴァラン、カゼミーロを中心に驚異の3トップやらを完全に封じることだろう。カルバハルが戻れば完璧。

レアルが悩ましいのはロナウド以外の前線を誰にするかという選択。リバプールの3トップと違い、レアルにはBBC+イスコ、アセンシオ、バスケスの3人がいる。バルサのように前から来るチームにはベイルはハマり実際スタメンにも選ばれていたが、リバプール相手だとどうだろう？クロップがどのように出てくるのか分からないが、恐らく慎重に入ってくるのではなかろうか。アンフィールドのファーフトレグで見せた無謀な序盤からイケイケのサッカーはしてこないだろう。だとするとベイルは活きない。バスケスの運動量と守備の頑張りは貴重だが、得点奪うためにはベンゼマ、イスコ、アセンシオの創造性は不可欠。最良の組合せは何だろうか。ジダンは前日まで悩み抜くことだろう。